第12章 ★ハワイ旅行
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――なんかあったかくて気持ちいい。お腹? そうだお腹に、あの人の欲をたっぷり注がれちゃったんだった。けど、生理前だし多分今回は大丈夫。
お腹っていうより体全体が温かいな。ハイビスカスの香りがする。ボコボコボコって泡が肌に当たってはじけるような……。
瞼を開けてうっすら見えてきたのは3つの大きなガラス越しに見える夜のオーシャンビュー。体はぬるま湯に沈んでハイビスカスの花びらがいっぱい浮いてる。
「あれ? ここは」
「お目覚め?」
「あたし、えっと……」
「エッチしてそのまま爆睡」
思い出した。シャワールーム! あぁ、えっと、それで。自分の体を見ると水着を着てる。着せてくれたみたいで、悟くんと一緒にジャクジーの気泡に浸かっている。
「どうしてジャグジー!?」
「オマエが入りたいって言ったんだろ。あれ寝言?」
「……覚えてないや、ごめん」
うわごとかな? シャワールームから運んでジャグジー準備してくれたみたい。2人でジャグジーに浸かってるなんて恥ずかしいけど、水着着てるし、あんな激しい性行為しておいて今さらか。それに花びらが浮いたお風呂なんて、素敵。
「綺麗〜」
花びらを両手で掬った時だ。あたしの左腕に見覚えのあるアクセサリーが目に入る。
「こ、れって」
バングルがつけられてる。悟くんにプレゼントしたのと色違いみたいだ。
「あれ? 悟くんにプレゼントしたよね」
「これな」
あたしと同じく左腕に付けてた。