第12章 ★ハワイ旅行
「泣いてんの? 嫌だった?」
「……そうじゃないけど、漏らしちゃったんじゃ」
「漏らしたんじゃなくて、潮吹いたんだよ、気持ちよかったんだよな?」
涙がとまらなくてすすり泣きに変わる。こんなの好きな人の前で見せちゃった。気持ちよくなって抑えられなくって。
「どっか痛い?」
「ううん、違う……悟くん、幻滅してない? こんなあたしに」
「は? それで泣いてんの?」
シャワールームだから流れたけどこれがベッドの上ならシーツがきっとびしょびしょだ。気にしてると正面からぎゅーって抱きしめられて、おでこにチュってキスされる。
「幻滅するわけねーだろ。逆に興奮した」
「……悟くんのバカ」
ふって笑われる。抱きしめられたその体はあたしよりずっと大きくて、腕はたくましくて、その男らしさにまた体がムラムラと火照り出す。嫉妬で体を弄られたのに嫌ではない。ほんとに無理な事はしない優しい人だって知ってるから。
髪を撫でられて、もう一回、おでこにチュってキスされた。そして、さっきまでの意地悪が嘘みたいに優しい声を出す。
「ほんとは僕のが欲しかった?」
こんなのずるい。あたしのことわかりすぎてる。そんな甘いささやきしないで。うんって、声に出すのも恥ずかしくてカクカク首だけ縦に動かす。
「今も欲しい?」
同じように首だけさっきより強くうごかす。
「じゃ、も一回、壁に手、突いて」
言われた通りやってしまう。こんなの恥ずかしいのに。もう一度さっきと同じ体勢を取ると、ビキニのショーツをすっと膝上まで下げられた。
「…やッ……っ」
すごく中途半端な位置だ。脚を広げるとすーすーする。ちらって横の鏡を見てみると、壁に手を突いたあたしが、お尻を丸出しにして悟くんの下半身の膨らみに向かって腰を突き出してた。
なんていやらしい格好。肩紐にビキニがかかっていて胸も見えてる。悟くんも高揚してるのか濡れた前髪かきあげて、はぁって息を整えてる。