第12章 ★ハワイ旅行
「なぁ、このロマンチックな星、見たら言いたくなるだろ」
「何を」
「いつものやつ」
「……またー? 前も言ったじゃん」
「何回言ったって害になるわけじゃねーし」
「そういうのは気持ちが乗った時に言うもんでしょ」
「今は乗らねーの? この状況で言わずにいつ言うの」
「……悟くんから言って。あたしばっかりずるい」
「こないだ言ったろ」
「悟くんのこないだは、年単位でしょ。ぜんぜん聞かない。悟くんから!」
もだもだして、口をとんがらせてる。仕方ねー、譲るか。夕凪の後ろに回って、その体を僕に預けるように、僕の胸に頭をもたれさせるようにして抱きしめた。
「ひゃっ、ちょっ……」
素肌が触れ合ってぴくって夕凪が反応してる。こちらを見上げてきたから視線を彼女に落とした。
「夕凪、愛してる」
「……愛してる、悟くん」
自分から振っといてなんだけど、くっそ恥ずかしい。照れもあって、抱きしめる力を強めると、夕凪が恥ずかしそうに俯いて微笑む。
愛してるって言われて嬉しいんだろうな。この顔は僕しか見れねーよな! そう思うと満たされる。どこまでコイツのこと好きなんだって自分を見失いそうなるわ。
水中で後ろからハグするこの体勢はなかなかの眺めだ。見下げると、ちょうど彼女のビキニの胸の谷間がぷかぷかと浮かんで見える。
ふっくらした白肌の柔そうな丸み。ガキの頃はぺったんこでつるんつるんの胸で、屋敷の中走り回ってたくせに、今では僕の手のひらで揉みしだくと少し余すくらい胸がある。女の体に成った。
水面が揺れるたびに艶っぽく柔肌が濡れて、谷間にツーっと水が入り込む。
エッロ。女優のプロモDVDじゃねーかってくらい、完成度が高ぇー。見えそうで見えねーし。透けてはねーけど、今、胸の先端いじったら、水着の上からプクって膨れた蕾が見えんじゃねーか? って思ったら、血が体の一部に集まって、緩く立ち上がり始めたのがわかった。
俯いてた夕凪が顔を上げて再び僕を見上げる。