第12章 ★ハワイ旅行
「ナカから精子出てきて垂れてんのエロ」
「悟くん、たくさん出しすぎ」
「僕の精子搾り取ろうとして離さなかったのオマエだろ?」
「……ち、ちがうもん」
あんまり否定出来ない。気持ちよくなってくると悟くんの精液をお腹に注ぎ込んで欲しくてどうしようもなくなる。こんなの月経が再開したらまたすぐ妊娠しちゃいそうだ。
内腿に付いたどろっとした精液を悟くんがティッシュでぬぐってくれる。見て興奮してんのかもだけど、いつも優しく拭き取ってくれる。
余韻でお腹と腰がじんわりする中、ふと思い立って下着を付けてカーディガンを羽織りながらベッドから降りた。そもそもこんなセックスをするようになったのも、この旅行がきっかけだ。
あるものを取りに向かう。キャビネットを開くとそれはまだそこにあった。何もかもが懐かしい。そっと取り出してベッドへと戻り、掛け布団をめくって、再び悟くんが横たわるベッドの隣に潜り込む。
「ねぇ、眠い?」
「別にそこまで」
「眠くないなら久しぶりに一緒にアルバム見ない? 一連の出来事は、すべてこのハワイから始まったような気がするんだよね」
「まぁそうかもな、けど楽しかったよな。オマエもテンションあがってただろ」
「まぁね。イチャイチャした写真たくさん撮ったのはよく覚えてる……」
ベッドから降りて取りに行ったのはアルバム。2年前に行ったハワイ旅行の写真。悟くんは18才、あたしは17才だった。遺言が悟くんに開示されてすぐに連れて行かれた旅行。いろんな意味で、このハワイは後々あたし達に大きな影響を与えた。
ちらっと最初の表紙をめくるとスクラップブッキングしてあって、早速イチャコラしてしまってる。
悟くんもあたしの方に寄ってきて、腹這いになった。「懐かしいな」って言ってアルバムを眺めてる。頭を寄せあって、時々クスって笑いながら、しばらくの間、ベッドの上に開かれた常夏の思い出を楽しんだ。