第11章 急展開
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退院後、慣れなくて大変なことはありつつも、子供もあたしも少しずつ生活ペースが出来てきて、順調に大きくなっている。
12月7日。
悟くんが20歳を迎える日だ。子供はそろそろ2ヶ月を迎える。今のところ問題なく、すくすく育っている。最近ちょっと笑うようになった。
「寒くなってきたから暖かくしようねー」
夕方に近づき部屋の温度を少し上げた時だ。
ピーンポーン
インターホンが鳴る。
旧教団の人かな? めったに来る事はないけど家のメンテナンスや、ここに収納してる物品などを取りに稀に来ることがある。だけどいつもは事前に携帯に連絡が入る。携帯を見たけど連絡は来ていない。誰だろ? 古い家屋なのでモニターがなく直接ドアを開けた。
「こんにちは〜」
「ど、どうしたんですか? どうしてここに?」
「いや、家のもんがな、おもろいもん見つけたぁ、言うから何や? 思って聞いてみてんけどな、これはほんまにオモロイ思って、実際来てみてん」
意味がわからない。目の前に現れたのは直哉さんだった。
「で、どこ? 悟くんの子?」
「は?」
あたしはベビーベッドの近くに駆け寄って、直哉さんと赤ちゃんとの間に入る。