第3章 使用人
あたしとお母様は五条家に来た時に一室を与えられそこで寝泊まりをしていたが、あたしが中学になると五条家から離れを与えられた。離れとは同じ敷地内にある小さな屋敷だ。
学習するための部屋がある。あと、一応、年頃の女の子なので着替えとかそういった配慮もあったのかな? プライベートを考えてのことだと思う。あたしは離れで時間を過ごすことが多くなった。
まぁ、だけどお察しのとおり、悟くんはズカズカと入ってきたし勝手にゲーム持ち込んで遊んでたり、側仕えがぐちぐちうるせーとか言って、文句言いにきたり、テスト前になるとここで勉強したりしてた。
いや、あれ勉強じゃなくノート広げるフリして漫画読んでただけだったかも。
実質子供部屋だ。子供っていってももう中学生なんですけどね。あたしと悟くんの間は5歳の時からあまり変わっていないように思う。
悟くんは身体デカいし、そこにいるだけで部屋が狭くなって邪魔だったけど、五条家の坊っちゃんだから仕方ない。
あたしも長年ここにいて、いいように飼い慣らされてきている。五条悟にどんだけ反論したって対抗したって喚いたって聞き入れられることなどないのだ。
あたしから言わせればこんな男のどこが好きなのか、彼女達のあのハートの目は何を見ているのかよくわからない。
外見は成長したけど中身はめっちゃくちゃ幼稚な子供のままだぞ。わがまま言い放題の手のつけられないヤンチャ坊主だ。