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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第10章 別れ


「もし夕凪が帰ってきたらすぐ教えて」

 午後7時。長老に頼んで部屋を出る。僕も夕凪を探しに荷物を持って五条の屋敷の正門に向かう。今日は高専の寮に泊まって七海や硝子と話をし、明日、高専の京都校に向かう。1週間、関西に滞在して西のエリアの上空から夕凪を探す予定。

 門の付近まで来ると人影を感じた。僕に気付くと、じっと僕の顔を凝視している。凝視っていうかこれは睨んでいるっていうんだろうな。

 凛とした芯がしっかりしている強い眼差しは夕凪にそっくりだ。僕が門に向かおうとすると両手を広げて行く手を阻んでくる。

「どいてくれない?」
「断ります。夕凪を探しに行くんでしょう?」
「あぁ、そうだよ」
 夕凪の母親はさらに大きく手と足を広げて僕を睨み上げてきた。

「探さないでくださいってお願いしたのに、五条家総動員で夕凪の捜索命令を出したってどういうことですか?」
「僕の子供がいるのに放っておけるわけねぇだろ」

 夕凪の母親は妊娠の事は全く知らなかったようで、僕の母親が術式で見えた夕凪の体の情報を夕凪の母親に伝えた。妊娠に関しては軽い気持ちではなかったと説明はした。

「夕凪を連れ戻してどうするつもりですか? 坊ちゃまとは結ばれないのに。夕凪はきっとここに戻るのを望んでない」

「結ばれないってどういう意味?」

「遺言のお相手は夕凪じゃないでしょ? 夕凪は遺言の内容を知ってます。自分は婚約者じゃないって」

 驚くべきことをいう。初耳だ。夕凪が遺言の内容を知ってるって? 婚約者じゃないって?


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