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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第10章 別れ


 着物を見立てるのに母親をその場に呼ぶ。夕凪は、超焦ってた。奥様に付き合ってるのバレたって。けど、付き合ってても問題ないどころか受け入れられてたよな? それは分かった? 五条家に大切にされてるって感じ取ってくれた?

 お盆行事で夕凪と色合わせした和服を着る。僕を見た夕凪はもともと丸い目をさらにまんまるにして驚いてた。

 それ、どうしたの? 作ったの? なんで今日、それを着るの? って。これくらいやって夕凪はちょうどいい。僕と付き合ってても大丈夫ってそう思うだろ。

 僕だけでなく、周りも夕凪の着物姿は好きみたいで、当主は着付けが終わって出てきた夕凪を見て、僕と写真を撮った。

 あんなの聞いてなかったけど撮りたくなったんだろうな。玄関まで縦に並んで4人で廊下を歩く。夕凪は小股で後ろから付いてきたけど、誰が見ても婚約者にしか見えねぇーわ。

 分家の迎え入れのために玄関に立った時、叔父さんが夕凪に声をかけてきたのには僕も驚いた。示し合わせたわけじゃねぇ。当主から何か根回しがあった?

 そうだとしてもこれまで1度もなかった事だ。夕凪は緊張して声も出ねぇし、直立不動。けど叔父さんが夕凪のこと「五条の人間に見える」って言ったのはわかる気がする。

 以前の夕凪と今の夕凪は違う。前回、僕の横に立った時は付き合ってなかったし、立ち位置がおかしいって申し訳なさそうにして、なるべく僕からも距離を取ってた。

 けど今回の盆の迎え入れは、夕凪は無意識だろうけど、怖気付くと少し僕の方に寄ってきて、そんな夕凪に気づくと、僕は庇うようにして立ち、分家に挨拶した。

 それはすごく自然で似合ってるように見えたんじゃねーかな。楓がなんも言ってこなかったのも文句の付けようがなかったんだろう。

 僕らの雰囲気がそうさせたんだろ。僻みにしか聞こえねぇ嫌味ほど醜いもんはねぇからな。それほどまでに夕凪は、僕に、五条家に馴染んでいた。

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