第7章 ★誕生日
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12月8日 午後4時
3日間の帰省が終わり高専に戻る日が来た。また年末に戻るからってお母様に別れを告げる。五条家から高専までお屋敷の車で送ってもらえるそうだ。出発までまだ2時間ほどあるけどあたしはもう用意バッチリ。
"メールが届きました"
携帯からお知らせが来た。悟くんからだ。
「オマエの呪力でも俺の部屋の結界を通れるようにしたから試してみて」
なにこれ? なんでそんな事したの!? この3日間、あたしは五条家の方々に関係がバレないかヒヤヒヤしてたのに、そんな事して当主がそれに気づいたらどうすんの?
メールしたけど返信がこない。
仕方なく悟くんの部屋の結界に向かった。もし見つかっても、高専に戻るのに悟くんを呼びに行ったとかいう口実も成り立つ。廊下の突き当たりで手をかざすと言われた通り部屋へと抜けれた。
「悟くん!」
襖をあけると、彼はまだ、着替え中だったみたいで上半身の裸体が目に入ってくる。彫刻みたいなそのたくましい筋肉を見たら、昨日……じゃなく今朝の今朝までその腕に抱きしめられてたことを思い出してそわそわする。
「結界、抜けれたみてーだな」
悟くんはあたしのバレるじゃん懸念なんて全く気にしてないみたい。そして、その裸体で近付いてきた。
「何か着て!」
「もうじっくり見てんだろ?」
そう言うことじゃないから。ドキドキさせないで! 明るいところで直視するほど慣れてないから。