第7章 ★誕生日
腰の感覚がなくなってきた。ただ、なんだろ……身体が変化してきてる。一度目より二度目の方が悟くんの動きが……セックスが気持ちいいって思えたような気がする。
少し彼に甘えたくて隣で横たわる悟くんに寄り添う。胸に抱かれたくて。彼はそんなあたしの髪を優しく撫でてくれる。この色好きって言ってくれたあたしの髪。
こんなに幸せなんて信じられない。五条家で裸で抱き合ってるなんて信じられない。
5歳の時のあたしが知ったらきっとびっくりして逃げ出しちゃうよね。嘘だぁ! 悟くんとなんかやだぁって言って。
「泣いてる?」
「あ、あの幸せな涙だよ。お祝い出来たし、その……抱いてくれたし」
「ガキの頃からオマエのこと泣かしてばっかだな、俺」
優しい顔で幸せそうに笑って、悟くんがぎゅっとあたしを抱きしめた。多分、聞き間違いだと思うけど……今、愛してるって言った? 悟くんがそんなキザな言葉言うわけないよね? きっと聞き間違い。
「でも夕凪は、まだ気持ちいいとかじゃねーんだろうな……男と違って単純じゃねぇもんな」
「気持ちいいよ、触れられるだけで」
「なぁ、もうシたくない?」
急に耳たぶを吸われた。今、悟くんが耳元で信じられないこと言ったような気がするけど冗談だよね?…………どうやら冗談じゃないみたい。髪を撫でながらもう一回同じ質問をしてきた。
――ねぇ、エッチってそんなに一晩に何回もするものなの? 雑誌にそんなこと書いてたっけな?
「シたくない、ことは……ないけど」
「って事は? つまり」
「……シたい」
ね! なにあたし誘導されてんの! なんてこと言っちゃったの? 軽くパニックになってるあたしを見て悟くんがククッて笑う。
一晩に3回もシたりする? 嘘でしょ?