第7章 ★誕生日
「悟くん誕生日おめでと。じゃ、あたし戻るから」
離れに戻ろうと思った。悟くんの部屋の結界から出るのは入る時と違って誰でも可能だ。大量のプレゼントをチラッと横目に見て部屋の出口に向かって歩み出す。2、3歩進んだ時、腕をひかれた。振り返ると罰が悪そうに立ってる悟くんがいる。
「夕凪、悪かった……行くなよ」
「次のオマエの誕生日はこれまでやらなかった分、ちゃんと考えたプレゼントするからさ、それでチャラにして」
「俺へのプレゼントもいらねーから、もう少しここにいろよ」
髪の毛かき上げながらすっごい色気出して引き止めてくる。こんな言い方されたら断れない。五条悟すごいと今さらながら思う。
確かにカッコいい、認めるよ悟くん。小さい時から見慣れてるはずなのにこうやって見下ろされるとドキドキする。首を縦に降って留まることにした。
「あたしもごめん。悟くんの誕生日なのに変なこと言って。実は、誕生日プレゼントだけど……あるにはあるんだ。気にいるかどうかわかんないけど……」
「そーなの?」
「うん……」
誕生日プレゼントの事を言おうとすると言葉に詰まる。単刀直入に伝えようって思ったけど、こんな口喧嘩みたいなのしちゃった後で言いにくい。
悟くんの手を取ってぎゅって握る。握ったら言えそうな気がして。けどやっぱり言葉が出ずにしどろもどろになる。顔だけでなく耳まで熱くなってくる。