第7章 ★誕生日
このドキドキした緊張をなんとかしたくて、話題を探したくて部屋全体をきょろきょろする。ぐるりと見渡すと目に入るのは上品な調度品の数々。何から何まで揃ってる気がする。足りないものなんてないんだろうなぁ。
和室の隅を見ると、誕生日プレゼントと思われる包装された品々が山積みになってドーンと置かれていた。ソファーから立ち上がってそれらを近くで見てみる。
「今年もたくさん誕生日プレゼントもらったんだね。開けてないみたいだけど。悟くんって欲しいもの自動的に手に入ってんでしょ?」
「んなことねーよ」
「嘘! こんなにいっぱいプレゼントもらってて? 女の子からも来てるじゃん。ファンの人たちかな?」
「そいつらがくれるものと欲しいものは違うだろ」
「そういうのを贅沢っていうんだよ」
「なんも知らねぇ夕凪に偉そうに言われたくねーわ。そういや、ケチなオマエは何もくれなかったな」
「悟くんだって何もくれなかったじゃん」
「女の誕プレに何がいいかなんて、そんなもんガキの俺が思いつくわけねーだろ。ぬいぐるみとかそういうやつ? そんな恥ずかしいもん買えって?」
「キレないでよ、別に何でもいいんだよ、何をあげようかなって考えてくれる事が嬉しいんじゃん」
「オッエー。夕凪の正論とかいらねぇし。どんだけ考えたもんもらおうが、要らねーもんは要らねーだろ。傑みてぇなポジショントークすんな」
ムカついた。なんでこんな白熱トークしてんだろ。これだから悟くんには何もあげたくないんだ。
そんな事言うならじゃあ、あたしが今日準備してるプレゼントだって要らないよね? すっごい考えたプレゼント。もうどうでもいいや。