第7章 ★誕生日
それは、夜、会おうっていうことなの?
悟くんはそれ以上は何も言ってこない。それについてもう少し話そうとしたけど、悟くんを呼びに側仕えの人がやって来て、彼はそのまま屋敷の方へ戻っていった。今まで互いの誕生日というものを流し合って来たあたしたちの会話はどこかぎこちなくて、これが精一杯だったのかもしれない。
けど、明日の悟くんの誕生日はこれまでとは違うものだっていうのはわかってる。それはいくら鈍感なあたしでもちゃんと理解してる。あたしたちは付き合ってる。彼氏のお誕生日をお祝いしない彼女なんていないもんね。
今まで一度もあげた事ない誕生日プレゼント。あたしなりに今、真剣に考えてるところ。明日、渡せるといいな。
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