第6章 キスの味
悟くんは眠ってなかったのかな? あたしがそんな気持ちになったのに気付いたのかな?
悟くんの唇を見つめてると彼はゆっくりと目を開けた。無限に続く空の様な青く透き通った瞳。それがあたしの視線と繋がると、まるで気持ちの奥を探るように悟くんがじっとあたしを見つめてきた。
悟くんがベッドの縁にいるあたしの方に体を寄せ片肘をつく。薄暗いオレンジの光の中でぼんやりと悟くんの青い眼光が近づいてきて、それは仄かな色情を帯びていて、あたしはそれをただただ見てた。
「夕凪……」
そう声をかけられると、どうしようもなく愛しさが込み上げて、あたしからも悟くんに顔を寄せてしまう。その距離はあっという間に縮まって悟くんと鼻先が触れそうになった。
近すぎてもう悟くんの何が見えているのかよくわからない。どんなに呼吸を浅くしても息がかかってしまう。
人口呼吸された時のドキ、ドクッの感触が急に舞い降りて来て、今、鳴ってる心臓の鼓動のドキ、ドクッとシンクロする。