第5章 いざ高専へ
「で、どうなの尊? 彼が好き?」
先輩達の視線が再びあたしに集まる。呪術師の女先輩達には嘘がつけないような気がした。
それにこの先在学する数年間、誤魔化せる気もしなかったし、ほんとの気持ちを話してもいいかな、と思った。
「はい……好き、です」
「ぇええええぇええーマジかぁあ」
そんな声を出したら美声が出なくなりますよ、喉が潰れちゃいますよ、ってくらい庵先輩が驚愕の叫びを上げてる。
女先輩達は、あたしが高専に来る前から「五条の溺愛が来る」とメールで盛り上がっていたらしい。その時点であたしは、可哀想になぁ、相手が悪かったなぁと同情されており。
あたしが入学すると、「五条の片想いだろ。外見で惚れるならまだしも、10年もいて尊が見抜かないわけないし、五条を好きとかレアモンすぎる」という話に変わり、新歓で聞いてみようと言うことになったらしい。
あたしはこれまでの経験で、悟くんの事について聞かれたらポーカーフェイスで答える癖がしっかり身についてる。
高専に来てからもそうやって対応してたから、まさか、好きという答えが出るとは思わなかったようで、先輩達3人はひとしきりあたしの回答について、驚きを示し、あーでもない、こーでもないと会話していた。
盛り上がりが終わると先輩達が再びあたしの方を向く。