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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第5章 いざ高専へ




 じーっ

 180度、右から左まで首を動かしてみるけど、女先輩達の視線があたしを逃してくれない。

「庵先輩! もう1曲聞かせてください。すっごく素敵な歌声で聴き惚れました」

 この空気から逃れようと、庵先輩を見つめてお願いしてみるけど「尊が答えてくれたらね」って。
 ……。


 焼肉食べ放題プランを終えた後、予定通りカラオケに来ていた。帰った高専生もいたけどあたしはしっかり拉致されて参加だ。

 カラオケ店に着くと、男女別れることになり、冥冥さん、家入先輩、庵先輩とあたしが同室になる。

 女先輩達はテンションが独特に低い。あたしが中学で絡んできた友達はアゲアゲのノリノリの子が多かったけど、みなさんとても落ち着いてる。

「硝子、ここ禁煙」
 冥冥さんは一言促した後、曲を入れ、艶のある声で中低音が響く洋楽を歌い出す。英語? フランス語? 発音がとんでもなく美しくてかっこいい。

 庵先輩は、カラオケが好きと自称するだけあって美声で高音をこれでもかってくらい響き渡らせて透明な歌声に思わずうっとり。

 家入先輩は、聞く専って言って静かにウーロン茶飲んでる? え? これウーロン茶じゃなくてウーロンハイじゃない? 

 ごくごく底なしみたいにお酒飲んでるよ。家入先輩って「タバコやお酒は20歳になってから」とかそんな表示は全く目に入ってなさそうだ。

 そしてあたしは、ありがちな流行りのJポップを歌いやすい音域で無難に歌ってまとめた。

 家入先輩以外のメンバーで曲が1順したところで、あたしはさっきの状況に陥る事になる。周りにジーッと見つめられて囲まれる。


「なぁ、尊って五条のこと好きなの?」

 家入先輩の一言で女先輩達はぐっとあたしを取り込んできた。ちょっと萎縮してしまう。

 この質問されるのって宿命なのかな? いったいもう何回目だろう……。

 悟くんのファン、分家の方、そして高専の先輩達。なんでみんな同じ質問してくるんだろ。

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