第5章 いざ高専へ
京都から来てた1年生の子とはもっと交流したかったけど、よっぽどお腹が空いてるのかひたすら肉食べてる!
え? 術式で焼いてる? ずるくない? そこだけ熱のとおり早くない? 別の子はすでに飲み物8杯目だ。どんだけ飲むの?
東京1年ズは、普通だよねー?
そう思って隣の七海をチラ見すると、家から持ってきたスパイス混ぜ合わせて、焼肉のタレに入れてる。デンマークではこうやって肉を食べます、とか言ってるけど、持ち込んでいいのかい?
「シャトーブリアンねーの?」
隣のテーブルで馬鹿なこと言ってるのは絶対悟くんだ。食べ放題にそんな高級肉、ついてるわけないじゃないか!
「硝子、肉で実験はよくないよ」
「食べれる肉の部位が増えるかもしんないよ」
実験ってこんな肉でやるもの?
――ねぇ……ここって、高専って、ひょっとして、常識通用しない変人だらけじゃない!???
唯一まともな話が出来そうなのは灰原だ。彼がいる左隣に首を向ける
「ねぇ、灰原……」
だけど首を向けた先にいたのは、隣に座っていたのは灰原じゃなかった。
「しばらくやねぇ、男の子みたいに走り回ってたんに、出るとこちゃーんと出てきたやんか。よかったなぁ」
うっ、この人は……禪院家の直哉さんだ。あたしとは同い年だから新入生。
けど、御三家の人間があたし達と同じ卓上に座ってられるかって言って先輩達と同じテーブルにいたはず。いつの間に席、変わってたの?