第5章 いざ高専へ
新歓に参加するメンバー名がメールで回ってきて名前をチェックする。
東京校の新入生3人
京都校の新入生プラス禪院直哉
五条悟
夏油傑
家入硝子
庵歌姫
冥冥
その他…
中には学生じゃない呪術師もいたけど、参加してくれたらしい。
「行くぞー!」
誰かの合図でぞろぞろと焼き肉店の中に足を踏み入れる。あたしたち3人も予約席へと向かった。
食べ放題、飲み放題でテーブルの上にはお肉や野菜がたくさん並ぶ。炭火が赤くなると一斉にみんなお肉を焼きだした。
ジュー ジュワー
肉から肉汁が滲み出てくる。
「美味しそう〜」
お肉の焼け具合を探りながら、タレはみんなに行き渡ってるかな? と周りを見てみたけれどその参加姿勢は実に甘かった。
みんなお肉を取るのが速い! 注文が速い! そしてすごい食べる!
焼けたと同時に網の上からお肉が無くなっていく。焼きピーマンは狙ってたのに、ナマみたいな状態で京都の新入生が奪っていった。あたしはまだ1枚も肉にありつけてない。
「それ、あたしのレバー……」
焼いたお肉も取られてる。
「追加お持ちしました〜」
隣のテーブルから店員さんの声が聞こえる。悟くんの学年プラス京都の先輩達が座るテーブルだ。
嘘でしょ? まだ開始10分だよ。最初に並んでた20皿ほどあったカルビはどうした?
「五条! それは私の肉なんだよ! 特上カルビじゃなく、普通のカルビを食え! 先輩を敬えぇー!!」
なんかすごい声も聞こえる。
これはお肉合戦だ!
自分の目の前でお肉を育てて焼けたらすぐ食べないと! 誰かのお世話なんかしてたら、水すら取られてしまうかもしれない。
食べ放題だからまた注文すればいいんだけど、制限時間が今回1時間と短い。あたしのテーブルには新入生しかいないから上下関係は気にせずとにかく必死で野菜とお肉に手を伸ばした。