第5章 いざ高専へ
「ハハ残念だな尊、ハズレだ。私はクズには興味ない」
「硝子? もう少しオブラートに包んでくれてもいいんじゃないか? さっきご馳走したパスタの事を忘れたかい?」
「下着の試着レポをしたんだから当然だ」
下着、下着って言った?
下着を見にきたの? 女性の?
「し、下着ですか????」
「うん。夏油が言うにはデザインだけで選んでも女は満足しないんだってさ、素材とか着け心地もいいものを送るらしい。だけど夏油自らはさすがに試着できないだろ? だから私が代わりに試着して感想伝えてんの」
びっくりもびっくりいいいいぃい!
目ん玉飛び出そう。夏油先輩は大人だ。女性に下着をプレゼントするなんて!
ついこの間まで中学生だったあたしには考えられない。悟くんもそういうのプレゼントした事あるのかな? 少し胸がちくりとする。
「しかも、ブラのサイズ違うやつ3種類買ってやがんの」
「え? 3人分、ってことですか?」
「ハハ、余計な事は言わなくていいよ硝子」
美しい笑顔だ。ものすごいいい笑顔で夏油先輩が恐ろしい事言ってる。夏油先輩モテモテじゃん。ねえ、どう思う? 悟くん? 悟くんなんか比じゃないよ、ね? って、あれ? 悟くんどこ行った?
さっきまで、ブランドショップのショーウィンドウのグラサン覗いてたはず……。
キョロキョロ悟くんを探すと、少し離れたところで女の人に話しかけられている様子。綺麗なお化粧してるお姉さんたち。大学生かなぁ。家入先輩があたしの隣に立つ。
「逆ナンだな」
「ギャクナン? ですか?」
「そ、女からナンパするやつ」