第5章 いざ高専へ
そのまま手を繋いで歩く。なんだか、すごく幸せだ。あたしと悟くんが過ごしてきた長い年月は、思い出はきっとこれからも記憶に留まったままだし、このままずっとこんな日が続いたらと思う。
これってやっぱり付き合ってるのかな? あたし告白してないのに、悟くんからも告白されてないのに付き合うなんてそんなことある? よくわからなくて、ぐだぐだ、もだもだ。
「なぁ、外、出ねー? グラサン買いたいんだよね」
あたしのぐだぐだもだもだ論争なんてつゆ知らずで、悟くんは急に買い物に行きたくなったみたい。
付いていくことになった。街に着いて軽食を済ませると、悟くんは、お気に入りのブランドショップがあるといってそこに向かう。あたしはとことこ後ろから付いていった。
「やあ、おでかけ?」
聞き覚えのある声がして振り返ると、そこにいたのは夏油先輩と家入先輩。
「わぁ、先輩!! こんにちは」
「あれ、五条も一緒?」
「あぁ、はい。買い物したいっていうので付いてきました」
「へえぇ、ふたりで」
家入先輩が興味深げに言うから付け足す。
「暇でしたし」
周囲に誤解されたら悟くん困るよね? ぐだぐだ、もだもだは続く。それよりもこの2人はどうなの?
「あの……おふたりは、その……付き合ってるんですか?」
デートなんだったら邪魔しちゃいけない。それに見ちゃ行けないものを見てしまったなら秘密にしなきゃと思い、家入先輩に様子を伺った。