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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第5章 いざ高専へ


 あたしは話題を変えた。
「それで、何?」
「あぁ、高専内の結界の話とか聞いたー? 暇だしいろいろ教えてやろうと思って」
「暇、なんだ。暇つぶし、なんだ」
「まだそんな事言ってんの、会いたくなったってそう言わなきゃわかんねーの?」
「……」

 急に言われて胸がきゅってなる。
 こんな事、前は言わなかった。やっぱり少しあたしたちは変わったのかもしれない。

問1)付き合ってる?
そうなのかもしれない

 最初はNOだった回答を消しゴムでゴシゴシ消して回答を書き変えた。

 悟くんがあたしの手首を掴んだ。あたしは引っ張られて高専の中を悟くんと一緒にのらりくらりと歩く。

 敷地内は結構広い。歩きながら悟くんが、高専の話をしてくれる。高専内には天元様の結界術が敷かれていて、高専の最深部にその中核となる薨星宮が存在するんだって。

 その途中には忌庫っていう危険な呪物を保管する場所もあるとか。初めて聞いた話であたしは前のめりになった。

「悟くん、その忌庫ってテストにでるの?」
「あ? おぉ出まくり。頻出用語だ。丸暗記しとけ」
「そうなの? もう一回説明して! 覚えるから!」

 悟くんが話してくれる説明をガチに暗唱してたら急に悟くんが笑い出す。「テストなんてねーわ」だって。最低最悪!

 ――けど、悟くんはあたしの前でよく笑うようになったと思う。なんか前の意地悪とは違う感じの明るい笑い。

 しばらく歩くと足元が悪い道になった。木々が生い茂っていて舗装が十分に成されていない。そこに来ると悟くんは、掴んでいたあたしの手首を離して、そのままするりと手をずらし、あたしの手を握った。

 指と指が絡む。長くて少し角張ったあたしより太い指。

「転ぶ前に握っとく」
「う、ん」
 無性に恥ずかしい。なにあたしは素直に可愛い返事してるんだ。こういうのに慣れてなくて照れ隠しで思わず口を開く。

「やっぱりいいよ、転ばないから大丈夫」
「あん時も倒れ込んできたじゃねぇか。桜の道で」
「……5歳の時のこと? あれは、草履を履き慣れてなくてまだ小さかったし……ってそんな昔のことよく覚えてるね」
「間抜けなやつって思ったからなー。忘れねーよ」
「何それ、ひどー」

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