第8章 始まりの始まり
「けどよ、試合中会場が1番ワッと盛り上がるのは、
どんなすげえスパイクよりスーパーレシーブが出た時だぜ。
スパイクが打てなくても、ブロックが飛べなくても、ボールが床に落ちさえしなければバレーボールは負けない。
そんでそれが1番できるのは
リベロだ」
「『か、かっこいい〜!!』」
『逆境に咲く花はどんな花よりも美しい!』
「お?」
急にそう言ったを西谷が不思議そうに見つめた。
『これ、私のバレーボールプレーする上でのモットーなんです!
苦しい状況下で咲く花が何よりも1番美しいんだって意味なんです。
調子いい時に思い切り頑張るよりも、皆が辛いって思ってる状況の時により頑張ろうって思えるんです。
例えば、ああ、もうこのボールは落ちてしまう、届かない、拾えない、そう皆が思った逆境の中、ギリギリのところで床とボールの間に手を滑らせて拾う、みたいなのがまさにそれで!そのプレーはどのプレーよりも輝くんです!!
そのプレーを1番するのがリベロです!
他のプレーヤーも輝いてるけど、私の目に1番キラキラして映るのはやっぱりリベロです!』
目を輝かせてそう語るに釣られるように西谷も目を輝かせて喜んだ。
「やっぱり、お前はよくわかるやつだな!」
よーしアイス2本食うか?翔陽も!との頭をわしゃわしゃしながら西谷は言った。
「おい!お前、俺のことかっこいいって言っただろ!」
西谷との間に入り込んだ影山がイラついた表情でそう言った。