第8章 始まりの始まり
「おれ帰る前に便所行ってきまーす!」
『私もボトル洗いに行くから待って!』
が日向のあとを追いかける。
「便所♪便所♪便所、べーん♪」
『何その歌〜、翔陽品に欠ける〜』
意味のわからない日向の歌にそうツッコんで、曲がり角を曲がりかけた時、
ぶはっ! 急に引き返した日向の右肩には鼻を直撃させた。
『痛い、翔陽!なに!』
「金田一、次戦う時も勝つのは俺たちだ」
『え、飛雄?』
曲がり角の向こうを覗くと、金田一にそう言い切る影山の姿があった。
『なんだ飛雄、ここにいたんだ』
「泣いた?」
戻ってきた影山にがそう声をかけると、後ろから日向が茶化すようにそういった。
『え?なに飛雄ちゃん涙出ちゃったの??』
日向に便乗したもニヤニヤしながら言うが、ちげえよ!と影山に怒鳴られる。
『!国見くん!』
は影山越しに金田一のもとに来た国見の姿を見つけてそう声を上げた。
『おつかれさま!左手悪化してない?』
「あ、ああ。おかげさまで」
そうやり取りすると国見を見た金田一が知り合いだったのか?と尋ねた。
試合前にたまたま会って、と答えた国見の左腕を取っては自分の方に寄せる。
「「「「!!??」」」」
その光景に国見本人と同じくらい動揺する1年3人。