第3章 豹を育てた烏
ーーー4年前
ポスッ
「!もっと体のバネを使わないと、へっぽこ球しか打てんぞ」
『バネ、、、もっとこうぐ〜って反ってからびゅん!って曲げるってこと?』
烏養家の庭で1人スパイクを黙々と練習する少女が1人。
烏養家の近所に家があるは物心ついた時から、烏養一繋からバレーボールを教わっていた。
始めたのは母の意思だったため、最初はなんとなくやっていた。
しかし、段々とボールを思いのままに操れるようになり、また自分がやりたい!と思ったプレーを見事できたときの快感を味わってからは自分の意思でバレーボールを続けてきた。
「そうだ!!!よくわかったな〜!やっぱりお前は天才だな!」
「ったくに厳しいんだか、甘いんだか」
縁側で新聞を読みながら、一繋との練習を横目で見る繋心はため息をついた。
『一繋さんは、飴と鞭の使い方がうまいんだよ』
「お!!よくそんな言葉知ってたな!天才か?!」
『一繋さん、私もう11歳だよ。そのくらいの言葉知ってるよ!昨日国語の授業で習ったんだからね』
「いや、昨日かよ。つい最近じゃねえか」
と本日2度目のため息を繋心がついた。