第7章 完成し始めた巣
「逆にお前が機能しなきゃ、他の攻撃も総崩れになると思え」
「ちょっと!あんまプレッシャーかけんなよ!」
澤村が慌てて影山を止めるが、
「総崩れ...そうくずれ...ソウクズレ...」
日向の様子を見る限りもう手遅れそうだった。
「ほら見なさい!」
『きゃーー!私までゲシュタルト崩壊起きるから翔陽やめて!』
と、ようやく月島から解放されたが今度は自分で自分の耳を塞いだ。
「でも肝心のブロックはどうすんだよ?いくら高く飛べても元々でかいやつと比べたら高さに到達するまで時間がかかるだろ」
『はい、なので翔陽には相手のスパイクを叩き落とすのより、触ること、
つまりスパイクの勢いを殺してこちらのチャンスボールにすることを重要視してもらいます。』
田中の質問にが答えたが、
「そんなにいきなりうまく行くか?」
と田中は首を傾げた。
「うまく行かないと思います」
今度は影山が答えた。
「ああ、少なくとも最初は無理だろうが、やってみれば何かしらわかることがあるよ」
と澤村も付け足す。
「だから日向も自信持ってーーー」
「は、はいー!!!い、いっぱい点獲って、おとりもやって、サーブもブロックもクイックも」
ボン!っという音と共に日向の顔が真っ赤になり固まる。
「ひ、日向がショートしたあー!」
『え、翔陽!?ちょ、氷持ってきます!倒れたら危ないから寝かせてください!』
「めんどくさこいつ」
澤村との叫び声が体育館に響き、と月島が独り言を呟いた。