第6章 賑やかな烏たちと
いちにーさんし、と澤村の声かけに合わせてみんなが準備体操を行なう。
簡単なアップの時にの出番はないため、洗濯やドリンク作りをして準備をする。
それらが済むと、も軽く準備体操を始めた。
するとそのとき、
「失礼します」と少し気怠げな声と共に2人の影が並んだ。
視線をあげ、が声の方を見ると高身長の2人が立っていた。
「今度入部する一年たちだ。
本来一年の入部は来週からだが、土曜に試合やるから実質的にはその時からだな」
「「よろしくお願いしまーす」」
「、同じ一年だ。挨拶しておきなさい」
と澤村に言われたは足を進める。
『トレーナー兼マネージャーの金烏です。1年2組です。よろしく!』
「あ、1年4組の山口忠です!は、初めまして!」
か、か、かわいい!っと狼狽えている山口には微笑んで会釈をし、あなたは?というようにもう1人の方を見る。
「.....」
一向に口を開かず、じーっと見つめてくる月島に思わずは首を傾げる。
『え、えっとー、』
「あんた、豹紋中の元キャプテンだろ」
『いや、デジャヴ』
「は?」
昼間の影山との会話を思い出したが思わず口を滑らせると、片眉を上げた月島が低い声で聞いた。
『いや、こっちの話。そうだよ。よく知ってたね』
「僕らの学年じゃ有名だったデショ」
中学生にしてすでに才能を開花させた天才バレーボーラー。
おまけに容姿端麗ときた彼女はもはや男女関係なく、同じ学年のバレーボールプレーヤーのなかでは名が通っていた。
なんでここにいるんだ、という月島の疑問の表情を気にもせず、
『澤村先輩!一年生の半分がなんだか目つき怖いってどういうことですか〜!』
とは主将のもとへ駆けていく。
「...は??」
「つっきー!顔!目怖いよ!」
初対面でなんだあいつはと思いつつも、なんだか恨めないその雰囲気に戸惑う月島だった。