第5章 烏野高校での新たなバレー人生
『感じ悪〜。でもまあ影山が言ってることは何も間違ってはないね。』
「まで!!」
『日向、影山はセッターをやることに意味を感じてる。
影山のバレー人生はセッターを務めることの上に成り立ってるんだよ。この試合で負ければ、セッターをやらせてもらえない。それは影山にとってはバレー人生を送っていないも同然。
そのくらい影山は
本気だから。』
珍しく真剣なの眼光に、菅原と田中は声を詰まらせ、影山は驚いた顔をしていた。
日向は手を握りしめ、歯を食いしばって俯いていた。
昼休み。
「ちゃ〜ん、お客さん〜」
お客さん?とクラスメイトの声にが顔をあげると、
相変わらず仏頂面の影山が立っていた。
『なになに、どうしたのわざわざ他クラスまで』
「話がある。来い」
『...影山って誰に対しても強引なんだね。』
「あぁ?」
ギロリと睨まれたので思わず、事実じゃん!とが言い返したが影山は無視してスタスタと歩き始めた。
『へえ、こんなとこあったんだ』
中庭のさらに奥に小さなベンチが並んでいた。はよく見つけたなと思いながらも、
『で?話ってなに?』
と問うと、
「お前、豹紋中の元キャプテンだろ。
なんでこんなとこで指導者としているんだ」
目を合わせずに聞いてきたところを見ると、なんとなく訳ありなのを悟られていたのかなとと思った。
『...全国大会の最中にさ、私膝の靭帯痛めちゃって。着地と同時に自分のコートに入ってきた相手チームの足を踏んじゃったの。
向こうも必死だったしこっちも必死だったし、誰も悪くない事故だよ。
すぐに大きい病院に行けって言われて行ったけど、そこでもう今後今までのようにスポーツはできないってはっきり言われた』
「、っ」
想像していたよりずっと辛い"ワケ"に思わず影山は眉に力を入れた。