第11章 対音駒、ゴミ捨て場の決戦
笛と共に再びサーブから試合が動き始める。
「目立たないですね」
急にそう言った武田に繋心もも視線を移した。
「あ?」
「うちの影山くんは素人が見ても、すごい感じがビシバシ伝わってくるけど、
音駒のセッターくんはすごいことをしてるのかもしれないけど、見ててもよくわからない」
そう付け足した武田に、繋心は口を開いた。
「それはあの安定したレシーブのせいだ」
「...レシーブ、ですか?」
『バレーの攻撃において、何よりも大事なのは安定してセッターの頭上に上がるレシーブです。土台のそのレシーブが不安定だったら、どんな攻撃も威力を得ない。
正直うちは飛雄が圧倒的才能でデコボコのチームを繋いでるって感じです。』
がそう付け足すと、繋心も深く頷いた。
「ああ、たいして向こうはセッターである孤爪を全員の安定したレシーブで支えてるんだ」
『圧倒的エースがいなくとも地道にコツコツ1点ずつ積み上げていく。
だから目立ったプレーがなくとも、ほら。』
と、は得点板を指さした。
「...セットポイント」
気づけば音駒側の得点板は24点を示していた。