第11章 対音駒、ゴミ捨て場の決戦
「中学時代、あいつも宮城の中学でバレーボールをしててな、高校からはあいつは東京に行って音駒高校のバレー部に。俺は烏野高校のバレー部として戦ってた。」
『そのときの話?ゴミ捨て場の決戦って』
「ああ、その時からネコとカラス。ゴミ捨て場の戦いって言われてたよ」
『へえ、そんな昔から!
じゃあ一繋さんが烏野の監督を引退するって聞いて、猫又さん悲しがったんじゃない?』
剥き終わったりんごをはい、と一繋と繋心それぞれに渡したはそう尋ねた。
「まあ、そりゃあ寂しくはあったんじゃねえか?こんなに長い付き合いで本気でバレーのことで戦える相手なんてそうそういないだろ」
と、繋心が口を開いた。
『何か、伝言ないの?猫又さんに!』
そうが聞くと、一繋はしゃりと一口りんごを齧ってからニヤリと笑った。
「いや、それはいい。昨日あいつとは電話で話した」
『え!そうなの!?』
「俺の愛弟子が烏野のトレーナーになったから楽しみにしててくれってな」
『げっ!何ハードル上げたの!?』
「さぞ可愛がってくれるだろうよ。ほらこの酒、あいつに渡しておいてくれ。生粋の酒好きだからな」
「もともとじいさんは監督やってる頃からの話をよく猫又監督にしてたから、別に猫又監督はお前の存在を今さっき知ったわけじゃねえよ」
『え、そうなの?』
「まあこの俺が昔っからのこと話してたからな〜、相当期待はしてるだろうな」
『もう!!めちゃめちゃハードル上げてるじゃん!一繋さんのいじわる!』
がポカスカと一繋を叩くと、一繋はの頭をわしゃわしゃと撫でた。
「まあ期待してるのは本当に思ってることだ。
頑張ってるんだな、ありがとうな」
『...一繋さんの想いを引き継ぐ気持ちももちろんあるけど、
1番は私がバレーのそばにいたいからやってることだよ
頑張るから、私!音駒との試合!
ね?!繋心くん!』
「お、おう」
「ガハハッ。頼もしいな」