第10章 烏野、完全体へ
「」「おい、」
月島と繋心の鋭い目に睨まれて、意を決したかのようには顔を上げた。
『...実はこの前、3対3のときに痛めた足もちょうど治ったし、体力づくりもしたいからって調子に乗って
2時間走っちゃって...』
「「「2時間!?」」」
『ご、ごめんなさい!
新しい戦略とか練習メニューとか色々考えてたら気づいた時には2時間経ってて、もう帰らないとって引き返そうとしたら急に足が痛み出しちゃって...』
「動けなくなってたから俺が車で家まで送ったんだよ」
『もう!まこっちゃん内緒にしてって言ったのに!大人のくせしてみんな口軽いんだから!』
ぷんすかぷんすかと効果音がつくように怒るに繋心が近づいた。
「お前は怒る立場か!ったく、あんなに人よりオーバーワークには気をつけろって言ってんのに!」
『ご、ごめんって!ただでさえ強面なのにそんなに怒らないで〜』
「ま、まあまあそれ以来は反省してランニングも控えてるようだし、許してやれよ」
嶋田が慌てて宥めると繋心は少し肩の力を落とした。
「まあいい、とりあえずゲームやるぞ」
その言葉を聞きがほっとしたのも束の間、
「まあ3対3のときって話は俺は知らないから、それは練習後な」
『ひっ』