第10章 烏野、完全体へ
「なあ、ノヤっさん。
こっち来れない間特訓って何やってたんだ?」
田中が西谷に対してぶつけた質問を聞きも2人の元へと駆け寄った。
「主にブロックフォローだな。ブロックされたボールを拾いまくる特訓。」
『へ〜!ブロックフォローに重きを置くなんてさすがですね!』
「お!ほんとか!
なかなかうまくできねえんだけど、ブロックフォローがちゃんとできればお前らももっと安心してスパイク打てるだろ」
『うおー!かっこいい!
そうやってずっしり構えてくれる守護のエースがいるから、うちのバレー部は軸がしっかりしてるんですね』
「ノヤっさん、あんたまじかっちょいいやつ〜〜ッ」
『え、西谷先輩!田中先輩、号泣してますよ!!』
「うおっ!何泣いてんだお前!」
が慌ててタオルを持ってくると、田中はゴシゴシと顔を拭いた。
『うわあ〜肌に悪そうな拭き方〜』
「田中がそんなこと気にするわけないだろ」
縁下も近寄ってきてと目線を合わせると苦笑した。
ガラガラッ
「みんなおつかれ!」
先生が入ってくるのを見た澤村が集合の号令をかけた。
が、皆が返事をする前に先生の後ろから現れたもう1人の人物に目が行った。
『繋心くーん!来てくれた!』
「...ああ。今日から音駒との試合までコーチをする」
「コーチ!?本当ですか?」
『え!なんで!あんなに嫌がってたじゃん!』