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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第12章 Master(先生はジェイド先輩)



「おはようございます。
ユウさん、グリム君」

「おはようございます、ジェイド先輩」

「ふなぁ」

あの契約を結んだ日から、
ジェイド先輩は毎朝同じ時間にオンボロ寮に迎えに来る。

本人は私の事を観察したいと言ってきたが、
特別普段の先輩とのやり取りで何か要求されることもなかった。

むしろ勉強を教えてもらったり、
モストロ・ラウンジのバイトでつながりが深くなったアズール先輩やフロイド先輩も面倒を見てくれるようになり、どちらかというと私の方が得しているようだ。(フロイド先輩はおもちゃ感覚かもしれないが)


だが、この不思議な関係のおかげで
ジェイド先輩とほぼ毎日顔を合わせることになる。



ー学園 運動場

「今日は、女性のユウさんでも

最低限身を守れる護身術を習得して頂きます」


「はい。よろしくお願いします」


「おや。最近やけに素直ですね」


「むやみに先輩を怖がるのを、


やめることにしたんです」


「……ほう」


からかうような、見透かすような、

笑い混じりの眼差しはやっぱり苦手だ。

でも…

(目を逸らしていたら、いつまで経っても

やられっぱなしのままだ…!)


「ジェイド先輩に教わったことを


しっかり身に着けて、

いつか見返してみせます!」

彼からみたら小さい生き物が、

一生懸命威嚇している姿はなんとも可愛く映った。


「ふふっ。楽しみにしてます」



ーモストロ・ラウンジ キッチン

「監督生ちゃーん!ドリンク3番・6番のいけるー?」

「もうできてまーす!

運び終わったら1番さんオーダー待ちなので、
お願いしてもいいですか?

あっフロイド先輩。

またエプロンの紐取れてる!もうっ」


「えっー。今フライパンガシガシやってっから

小エビちゃんぎゅーってして?」

「はあい」

わざと細身な彼の体を締め付けるように
ギュッと結びなおしてあげた。

「ちょっ!笑 小エビ、絞めすぎぃ!」

「先輩のスタイルが良いから、つい。

今日もかっこいいです。

あ、オーダーここに貼りまぁす~」

キッチンの仕事を初めてすぐに、
料理に関してはフロイドの気分が命だと学んだ。


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