第11章 Prey (観察対象は監督生さん)
しかし、あの双子について
昔から性格を理解しているアズールであれば
彼が何を考えているのか分かるかもしれない。
「あの…アズール先輩から見て、
ジェイド先輩ってどんな人ですか?」
「ジェイド…?
まあ、一言でいえば優秀な男ですね。
どんな無茶な要求をしても、
奴が失敗している姿を見たことがない。
フロイドに比べて、教えるのは上手ですし
頭は切れる男なので、
先生にはピッタリだと思いますよ」
「ご満足頂けましたか?お礼は、きっっちりラウンジで働いてもらいますからね。では失礼」と完食した皿を下げ、アズール先輩も席を外してしまい、ついに一人ぼっちになってしまった。
(アズール先輩も、ジェイド先輩には一目置いてるんだ。フロイド先輩もすぐあとを追いかけていったし…)
心の奥まで見透かすようなあの瞳に、
慣れる気がしないけれどー
(もう少し、
あの人とちゃんと向き合ってみようかな…)
ユウのジェイドへの見方も
少しずつ変わっていくのだった。