第8章 Nasty mermaid(意地悪な人魚)
「植物園での見事なまでの怯えっぷりを見る限り、ユウさんがこの学園で平和に生き抜いていくには、エースさんやグリム君達がいるとはいえ難しいかと。
ここが陸で良かったですね。
…海の世界なら、貴女なんてひとたまりもない。
あっという間に魚のエサでしょう」
いまだベットに座るユウの肩を押す。
トンっ…と無警戒なこの生き物は、
簡単にベットに押し倒された。
「なっなにっ!?」
それでも往生際が悪く、逃げ惑う小魚のように
腕をばたつかせるので、
ジェイドは、ユウに覆いかぶさり
ゆっくりと体重をかけて動きを封じていく。
密着する体に、ユウは金魚のように顔を真っ赤にしてジェイドの肩を押し返すが、びくともしない。
ああ、なんてか弱い生き物なんでしょう…。
ジェイドは自分でも知らぬうちに、
口角が上がっていった。
「ユウさん……」
その口元はまるで三日月のように歪んでいった。
「僕と契約しませんか?」