第5章 No(契約なんて致しません!)
「オルト君!珍しいね、なにかご用?」
「ふふっ。あのね、
今日撮影したデュース・スペードさんの
録画映像をDVD化して渡しに来たんだ!
雨の中走るデュース・スペードさんは、
とーーってもかっこよかったよ。
僕も思わず…どれぐらいの速度が出せるか
試してみたくなったよ」
「…そういう事なら、オルト君。
このあと少し時間ある?」
彼のサファイアブルーの髪が
きょとんと揺れた。
「鑑賞会しよっ♪」
そのままオルトの手を引き、談話室でのんびりしていた皆に提案する。ゴーストマリッジの時に散々おもちゃにされたエースはこれ幸い!とばかりにガッツポーズをした。
リリアの料理が帰りを待っているセベクも「道連れだッ!」とジャックとエペルに縋りつき、結局その日はみんなでお泊り会に発展した。
この日から、
1年マブがオンボロ寮によく夕食を食べに来て
泊り用のパジャマを持参し始めたののは言うまでもない。
「なんか、いろいろ増えたんじゃないか?」
「まぁ、色とりどりになっていいじゃろう…」
オンボロ寮のゴースト作『異世界の少女とモンスター』は、最近ではキイロ、ムラサキ、アオ、ミドリが新しく作品を彩っていた。