第6章 素直 後編【※錆兎】
「…やぁ、そんな…触ら…ないで…、」
陽華の身体が、快感から逃れようと、腰を浮かした。しかしそれを首元に回した錆兎の手が抑える。
「こら、逃げるな。」
「だって……、ぁ…だめっ…、そこ…そんな…されたら…、おかしくなっちゃうっ!」
「おかしくなればいいだろ?…乱れたお前、見てみたい。」
「んっ…ぁっ!」
陽華は小さく声を上げると、その恥ずかしさに、身体を傾け、錆兎の胸に顔を埋めて抱きついた。
「んぅ…、さび…と…、」
錆兎は陽華の頭を優しく撫でると、顔を近づけて、小さく囁いた。
「陽華、こっち見ろ。」
錆兎に言われ、陽華がゆっくりと顔を上げた。
汗ばんで、真っ赤に高揚した頬、かすかに涙で曇る瞳が、切なそうに錆兎を見つめる。
その瞬間、錆兎の頭に、何かに殴られたような衝撃が走った。
(なんだ、この可愛い生き物はっ!)
堪らずに、陽華の唇を慾る。
「んっんっ…、んんっ!」
夢中で唇を貪りながら、指先の動きを早めていくと、諦めたように快感に身を委ねた陽華の腰が、艶めかしく揺れ始めた。
「腰が揺れてる。…そんなにいいのか?」
「もう…、黙って……、あぁんっ!!」
いきなり、グッと強く擦られ、思わず声が大きくなる。
「ぅう…、錆兎…もう…駄目っ…、」
「あぁ、イッていいぞ?」
優しく声を掛け、力を込めた指先の動きを早めていく。すると、陽華が一際大きな矯声を上げ、大きくのけ反った。
そのまま陽華は、力尽きたように横たわると、蕩けきった瞳で錆兎を見詰めた。その姿に堪らずに、錆兎が陽華を強く抱きしめる。
「本当にお前、可愛すぎる。」