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【ヒロアカ】手のひらのぬくもり※トリップ【相澤/轟/爆豪】

第1章 #1 眠・謎・力



突然流した涙に、少し目を見開いたその男、相澤は、またもだるそうに自分の頭をかいて、ため息をつく。


「それで、お前はなんなんだ。」


聞かれてる意図がわからない。
なんなんだ、って?

手が動かせない代わりに少し鼻をすすって、呼吸を落ち着かせて私は答えた。


「なんなんだって、どういう意味ですか?」



ため口でいいのかすらもわからない。
他人だし、丁寧に聞いたほうがいいんだろうか。
そんな余計なことを考えながら、相澤を見た。


相澤は、まっすぐ私をみて、まただるそうに話す。


「病人にあれこれ問いただすのは好きじゃない。
聞きたいのは2つ。お前の”個性”と、お前自身の経歴だ。」


「個性…?」


個性なんて、あるわけない。
夢の中の話とはいえ、特別何かを感じたわけではない。

爆豪のように爆発ができるわけでもないし、アニメに出ていた他の少年少女のように特殊能力があるわけでもない。
普通に仕事をして生きてきたアラサーなのだ。

「お前のその左手は、間違いなく暴発したダメージによる損傷だ。お前も爆発の個性なのか?」

「は?」


暴発って…私が?そんなスーパーマンみたいな話ってある?
突然力がー…みたいな?
いやいやいや。まさか。

またもハテナマークを頭に浮かべながら、瞬きをする。



「…なんだその顔は。」
「いや、むしろ何言ってんですか。」


つかみどころのない会話が続く。
目の前の男…つまり、相澤が言うには、こうだ。












あのヴィラン事件のあと、私はオールマイトに助けてもらい、爆豪とは別に病院へ搬送されたようだ。

左手の損傷が激しく、治癒に時間を要したこともあり、家族への連絡をと警察が素性を調べた。

しかし、当時持っていたスマホをもとに、私について調べたものの、家族や私の経歴などは一切でてこなかった。




個性を持っているものであるということ。
そして、ヴィランの中に取り込まれていたということ。
素性がわからないこと。
爆豪と一緒にいたこと。

このままではらちが明かないと思い、これらを元に警察は、爆豪のいる雄英に相談をした。


その後、雄英は、様々な個性に対応できる相澤へ、女の素性を確認させることにした。











嫌な胸騒ぎだ。
何かとんでもない夢に巻き込まれたな。


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