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【ヒロアカ】手のひらのぬくもり※トリップ【相澤/轟/爆豪】

第1章 #1 眠・謎・力


仕事に疲れ、睡眠剤に頼るような生活になってしまった。
あったかくて、ふわふわした感覚の中、同僚に勧められたアニメをみる。

【僕のヒーローアカデミア】

おかげさまでだいぶハマッてしまい、最新話が待ち遠しいほどにファンである。
なにより、相澤先生が同級生ということに親近感を覚える。

(同級生…消太とか呼んじゃうのかな、なんて。)

そんなこと考えながら、波乱万丈な少年たちのストーリーに目を向ける。

(個性…個性かぁ…。
あたしの個性ってなんだろうな。)

学生時代は特に苦労することもなく、高校・大学へ進学。
赤点とは無縁の生活をして、卒業後は地元の企業に就職した。
会社では頼れる後輩たちも増え、チーフと呼ばれるポジションについた。
難しいクライアントの対応に追われ、後輩たちの手助けをし、上司の機嫌もとる。
俗にいう”ストレス社会”の中を、どううまく抜けていきるか…
頭を使って生き続けるしかなかった。

食事よりも仕事。成績を出す。会社の売り上げを立てる。
そのために働いてきた。
それが自分の”幸せ”だと思ってきた。

だから、色恋もすべて捨てて、気づいたらこんな歳。

画面の向こうの少年少女たちのような青春は、知らない。

上司や後輩からの”助かってる”の言葉を糧に、仕事にひたすら打ち込む日々だった。
まるで変なヒーローきどりか…

(最後にぐっすり寝たのって、いつだ…)

ふわふわした感覚の睡魔に襲われ、そんなことを考える。
最近は2~3時間ごとに起きてしまう生活ばかりしていたせいで、熟睡なんて程遠い。

枕を変えても、布団を変えてもだめだった。
この感覚のまま眠りについたら…どんな目覚めなのかな。

明日のスケジュールを考慮して、アラームをセットする。
これなら寝落ちても大丈夫だ。

ふと画面に目をやると、少年少女たちは、自分たちの”個性”を活かして、必死にヒーローへの階段をかけあがろうとしていた。

(こんな世界で生きていたら…あたしは何か役に立つのだろうか…)


そんな非現実的なことを思い、目を閉じる。






ピピピピッ…ピピピピッ…



「え…」

「どけ!女ァァァァ!!!!!」

次に目が覚めた時に目の前にいた”ソレ”は、まぎれもなく、過去に見た”アニメ”の一部だった。

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