第1章 プロローグ
玄関に着いた。
ドアが開かない。
あぁ、なんでさっき鍵なんか閉めたんだろう。
私は震える手で鍵に触れた。
『〜っ!』
鍵の上にある私の右手に添えられた赤黒い手。
私は壊れた人形のように後ろを向いた。
と、気がついた頃には、背中を強く床に押し付けられ、私の上に男は馬乗りになっていた。
恐る恐るリビングの方を向けば、手をこちらに伸ばし、目を開けたまま倒れる兄の姿。
『あぁ、あ、ぁ、あ、、』
ぼろぼろと涙が溢れる。
私も兄に向けて手を伸ばす。
視界に入った玄関の靴たち。
あぁ、私バカだ。
・・・・
何が、ちゃんと4足ある、だ。
私が靴を履いていたんだ。3足のはずだろう?
開けっ放しの鍵
多い一足の靴
どうして気がつかなかったんだ。
少しでも異変に気がついていれば、お兄ちゃんだけでも助けられたかもしれないのに。
私も、死ぬのかな。
首に刃が触れた。が、すぐに離れる。
?
もう、どうでもいい。
早く殺せばいいのに。
バサっ
『ぇ?』
『〜っ!』
ぬるりとした感覚が腹を這う。
男のてだった。
兄や父、母の血がついた手が、私の制服を捲り、肌を撫で上げる。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
あまりの悍ましさに、声も出ない。
身体も硬直して、言うことを聞かない。
だんだんと手が上に伸びてきて、私の膨らみに触れた。
下着に包まれたそれを赤黒い手が這う。
涙が溢れる。
もう、早く殺してくれ。
そんな私の願いも虚しく、男はスカートを捲り上げ、私の秘部に手を伸ばした。
もう、私は目を開けていることさえ出来なくて、ぎゅっと固く目を閉じて恐怖と気持ち悪さに耐えていた。
『ぐっ、あ"、、、』
あまりの衝撃と痛みに、思わず目を開けた。
男は全く濡れていなかったであろうそこに、己の欲を押し込んでいた。
それから力任せに動き、私を苦しめた。