第8章 次なる島は
スヤスヤと穏やかな寝息を立てる菜々美。
さっき寝たばかりだからまだ目覚めないだろう。
俺は島での作戦を記した書類を持って医務室を後にした。
コンコンコン
「オヤジ!俺だ!!」
「入れ」
ガチャ
「グララララ、久々に顔を見た気がするなァマルコ。」
「あぁ。俺もそう思ってたところだよい。」
ここ数日は菜々美に付きっきりだったからな、と改めて自分の行動を振り返る。
「菜々美は?」
「今は薬のせいで寝てる。
明日にはもうおおよそ大丈夫のはずだ。」
「そりゃよかった。
お前もご苦労だったな。」
「何、医者として兄として、当たり前のことしかしてねぇよい。」
そういうとオヤジは大きく笑った。
「…島での作戦だが、ハルタのやつが考案してくれたやつの中の一つで行こうと思うよい。」
「…ほう、珍しいな。
作戦立案はほとんどお前かイゾウかのどっちかだろう?」
「あぁ。
だが、俺が数日菜々美に付きっきりだったからなぁ。
ハルタが代わりに考えてくれたんだよい。
サッチも俺の分の書類片付けてくれた。」
「グララ、妹には皆甘いな。」
「オヤジもだろい?」
「グララララ!!たりめぇだ!」
改めて言われると少し気恥ずかしい。
それを隠すのにオヤジに振ったが、オヤジは悪びれることなくそれを肯定した。
「にしても、ハルタの奴ァ人攫いが相当嫌いだろう?」
「あぁ。
中にはかなりえげつない作戦も混ざってたよい。」
爪剥いだ後に一本ずつ指を叩き折るだの目と耳を潰した後幾千もの針を刺すだの、、、
考えるのはいいが誰がやるんだ。
汚ねぇ馬鹿どもの悲鳴なんざ聞きたくもない。
そう言うと先に声帯を潰せばいい話だと言われそうだな…
…全く、あんな顔のハルタがどんな顔をしながらこんな作戦を立てたのか。
考えただけでゾッとする。