第2章 目覚めた先は
『…んっ、、、』
「起きたか。菜々美。」
ぼんやりとする頭を上げて、声のする方を向く。
低くゆったりとした声色は、すごく心地のいいものだった。
『!?』
私は大きな人の膝の上で眠っていたようだ。
それに、そうだ。
私はこの人の娘に、家族になったんだ。
『…おはようございます。すみません、お膝の上で寝てしまって、、、えっと、、、』
「いや、構わねぇ。はじめての娘だ。何をしても嬉しいもんさ。グララララ。」
怒ってないみたい。よかった。
「オイ、野郎ども!菜々美が起きたぞ!!
宴だぁ!!!」
「「「「オオォォォォ!!!!」」」」
急に大きな声が聞こえて、肩がびくりと震えた。
落ち着いて周りを見渡すと、沢山の男の人達に囲まれている。
みんな大きいし、強そうだ。
「ほら、お前の歓迎会だ。
悪いが、さっき勝手に荷物色々見ちまってな。
お前は黒咲菜々美って言うらしい。
親から貰った名だ。大切にな。」
『黒咲、菜々美、、、』
思わず呟いた名前は聞き覚えのないのに、なんだかしっくりきた。
『…ありがとうございます。えっと、、、』
「アァ?俺か?まだ名乗ってなかったか。
俺の名はエドワード・ニューゲート。世間じゃ白ひげと呼ばれてる。」
「俺たちはオヤジって呼んでるよい。」
眠たげな人が下からそう言う。
…オヤジ…なんか言いにくいな、、、
「グララララ!女だからなぁ。オヤジは言いにくいか。
まぁいい。好きに呼べ。」
『わかりました。…えっと、、、お父さん///』
「グララララ!父さんか!!悪くねぇ。
さ、兄貴達があそこで話しかけたくてウズウズしてる。
行ってきてやれ。」
『はい!』
大きな人、、いや、お父さんは私を優しく甲板へ下ろしてくれた。