第7章 魚人島

「どうする？
今日も人魚姫のとこに行くんならそろそろ上がった方がいいとは思うが…」

『行く！
今から上がって着替えて行っても大丈夫かな。』

「ああ。
…じゃ、一回船に戻るかねぃ。
ほら、掴まれ。」

『ありがとう。』








マルコ兄さんが差し出した手に私も腕を乗せた。
兄さんの服が水を吸って少し重たい。









『っ！？きゃあ！！』

「！？なんだ！？」











バシャン！！！











「ッハハ！ザマァみろ！マルコ！！」





『？？？、、！？』









と、急に体が沈んだと思えば誰かの腕の中。
そして頭の上の方からはとてもとても楽しそうな声。








『サッチ、、、兄さん、』









どうやらサッチ兄さんが私を引いたせいで私の手を掴んでいたマルコ兄さんも海中へ引きずり込まれたようだ。







…マルコ兄さんも海中へ引きずり込まれたようだ？








『！大変！！！』

「ゴフッ」








マルコ兄さん泳げないのよね！？








私は私を抱えていたサッチ兄さんを蹴飛ばして、海の中へ潜る。
するとシャボンに包まれて恨めしげに上を見上げるマルコ兄さん。


よかった。溺れてなかった。








私はマルコ兄さんが入ったシャボンを押して海面へ浮上した。













『ぷはっ、ハァ、ハァ………マルコ兄さん大丈夫？』

「あぁ。一応バブリーサンゴ持ち歩いてたからねぃ。
菜々美、運んでくれてありがとよい。」

『ううん、大丈夫。』







海面へ上がるとシャボンを変形させて浮き輪のようにして掴まる兄さん。
能力者が泳げないって本当なんだ…








「ギャッハハハハハハハ！！マルコwwおま、、浮き輪って」

「サッチテメェ…いい加減にしろよい！！」

『サッチ兄さんひどい！
水って本当に危ないのよ！？』

「リーゼントの仇だコノヤロー！
にしても、バブリーサンゴ常に持ち歩いてるとはなぁ。」









未だにケタケタと笑うサッチ兄さん。
マルコ兄さんは海で力が抜けてしまってもう怒る気力もなさそうだ。