第6章 海底10000メートルの楽園へ
その後、私は2人に連れられて船内に入り、ひたすらに計算書類をこなしまくった。
頭を使っていれば余計なことは何も考えなくて済むから。
そしてそのままどれほどの時間が経っただろう。
山のように積み重なっていた書類を処理した後、ひとつ伸びをした。
…流石に疲れた。
「見えたぞ!魚人島だァ!!!」
船内にそんな声が響き、みんなバタバタと甲板へ向かう。
私もその流れに乗って甲板へ出た。
「お、菜々美。
見てみろ。あれが魚人島だ!」
クルー達に埋もれて背伸びしていたいると、それを見つけてくれたビスタ兄さんが肩に乗せて目の前の風景を見せてくれた。
『わぁ…すごい、、、綺麗…』
そこには海底なのに光が刺していて、静かな流れの中、ふわりと浮かぶ大きなシャボン。
その中には島のようなものが見え、カラフルな岩があって、とてもこの世のものとは思えないほど美しい島。
「さ、入るぞ。」
ビスタ兄さんがそう言うと、目の前に見えていた丸い入り口のようなところに真っ直ぐ船は進んでいく。
ぷわん…
『あ、シャボンが………』
船のシャボンが入り口のシャボンと合体して、剥がれていく。
ポン!
バシャン!!
『!』
完全にシャボン膜の入口を抜けると、その先には海があって船はそのまま着水した。
「「「うぉぉぉぉ!魚人島!到着だ!!!」」」