第5章 新世界の航海
上陸した島は地面は一面石畳、建物もレンガ造の可愛らしい建物が多く、メインストリートにはレンガの塔まで立っていた。
『凄い、かわいい街。』
「あぁ。石工が盛んな街なんだろうな。」
『石工?』
「石をこうやって加工したり切り込んだりする仕事さ。」
『へぇ。』
私はウキウキとイゾウ兄さんの手を握ったまま周りを見回す。
人が多いし、逸れないようにしなきゃ。
「ん?あぁ!イゾウ…に、、、菜々美!?」
『あ!サッチ兄さん!!』
反対側から沢山の食材を抱えた4番隊を率いてサッチ兄さんが見えた。
サッチ兄さんは凄い勢いでこちらに走ってくる。
「菜々美!お前、その格好…」
『この前ビスタ兄さんに買ってもらったの。
島だから少しおしゃれしてみたんだけど…変?』
あんまり凄い形相で走ってきたものだから不安になってサッチ兄さんにそう聞く。
「や、似合ってる。似合ってはいるが…これだけ人がおおいと、いや、、、」
『?』
「大丈夫だ、菜々美、サッチは心配してるだけだから。」
『心配?』
「あぁ。さ、行くぞ。」
『?うん。じゃあサッチ兄さんまた後でね!』
私はまだまだ続く石畳の上を意気揚々を歩いて行った。
「元が良いと何着ても絵になるなぁ。
だが、イゾウ…この島人多いからあんな格好してたら菜々美のやつ、標的になるんじゃねぇのか?」
「何、俺もそれくらいわかってる。
現にアイツに触れようとした男は10人は超えた。視線はその10倍集めてる。」
「な!…もうお前菜々美連れて船戻れよ。」
「クク、安心しろサッチ。
俺がいる以上、菜々美にゃ指一本触れさせねぇ。」
そう言って銃を構えるイゾウの笑みは酷く冷めきっていて身震いするほどだ。
『イゾウ兄さん!早く!!』
「あぁ!…じゃあな、サッチ。」
「おう。」
そしてイゾウは菜々美の腰を抱くと、早速彼女の尻に手を伸ばした命知らずの男の手を払い、殺気の籠った視線で見事に撃退していた。