第5章 新世界の航海
渦がたくさんある海域を抜けたのが上から見えて、マルコ兄さん兼幸せの青い鳥は甲板へ降り立った。
私はそのまま床にへたり込んだ。
「…菜々美?オーイ、、、生きてるか〜?」
イゾウ兄さんが私の前で手をひらひらさせてそう言う。
うん。生きてはいるよ、多分。
「マルコ、お前、悪魔の実の説明まだしてなかったのかよ。」
「あぁ。忘れてたよい。」
『い、いぞ、兄さん』
「ん?なんだ?」
イゾウ兄さんはまだ立ち上がれない私の前に膝をついて、顔を近くに寄せた。
『あ、あのね、マルコ兄さんの正体が鳥さんでね、、、あれ?鳥で、、、燃えてて、熱くなくて、でも、喋ってて??』
「…クク、菜々美、マルコの正体が鳥なわけじゃない。
マルコはマルコだよ。」
「そうだよい。俺は俺だ。」
目をパチクリさせて声の方を向くと、いつもの人のマルコ兄さん。
ふと気がつくと、私たちの周りをみんなが囲んでいた。
「菜々美、この世にはな、悪魔の実っていう不思議な果物があるんだよい。
それを食うとカナヅチになる代わりに、特殊能力を得られる。
俺はそれを食った能力者だ。」
『悪魔の実…』
「あぁ。オヤジもそうだよい。」
『!!!!父さんも?父さんも鳥さんなの?』
「あー、いや、オヤジはグラグラの実を食った地震人間。
地震を起こせる。
俺はトリトリの実を食った。だから鳥になれる。」
地震…鳥………
『…へぇ。』
もう、、、頭おかしくなりそう。