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灰色噺〜ハイイロメモリーズ〜 『カゲプロ』の話

第8章 第六夜


カーテンの隙間から 差し込む月光が、客間らしい部屋に雑魚寝した 俺たちの顔を照らす。


眩しくもなく、かと言って暗すぎるわけでもない その光が、俺は 初めてキレイなものだったのだと気付いた。


『幸せ•••だなぁ•••••。』


周りで ぐっすりと寝入っている「仲間」の顔を眺めながら、小さく呟く。


ずいぶん 長い間、1人で生きてきた。

不死の身体であることに絶望なんてしないようにって•••••負けねぇからなって 誓って。


でも•••ようやく、1人じゃなくなった。


仲間だって認めてくれる人がいる。






幸せ•••に、なれた。












けど、




ゴメン•••みんな。



俺は•••みんなに、自分のことを隠してる。

俺は 弱いから、みんなに嫌われたくないからって•••


汚くて 汚くて 汚くて どうしようもなく汚い自分を•••隠してる。



俺は弱いから、まだ みんなのことを信用できていないのかもしれない。


でも•••


しばらくは このまま、幸せの中に•••いてもいいよね•••?
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