第14章 第十夜、子ノ刻
崩れ落ちたカイトさんの身体。
笑い続ける男の声。
公園に響く団長さんの悲鳴。
それらを見て、聞いて…私は気づいた。
───この世界はオカシイ───
バシッ、バシッ!
エネ「団長さん!団長さん!」
感じた違和感を伝えようと、必死に携帯の画面を叩き、声を張り上げる。
しかし、団長さんはそれに気づかない。
エネ「団長さんッ!!」
バシバシと、画面を叩き続ける私の目に、奇妙なものがうつった。
カイトさんを中心としてできた血だまりが、異様なスピードで広がっていく。
男も、公園も、ビルも、歩道橋も、全てがカイトさんから流れ出た血に飲み込まれて行く。
そして……
ポチャン…と、私たちは血の池に落ちた。