第3章 Empty House
PLAYERは、暫く
その場に立ち尽くしていた。
狭い部屋は、
トリエルが消えたことで、
やけに広く感じた。
小さなおもちゃのナイフを
ポケットに仕舞う。
PLAYERは、両開きの扉を開けた。
通路が続いている。
トリエルの助言通りに、真っ直ぐ
歩いていく。
長い通路を歩く。歩き続ける。
通路の先には闇が広がっていた。
闇の中へ、足を進めた。
花を見つけた。
天井から射し込む一点の光が、
花を金色に煌めかせる。
相変わらず、にこやかな笑みを
浮かべた口は、PLAYERを嘲った。
*フフフ……。
*自分の した事に
満足かい?
*ま 不満 だとしても
運命を 変えること
なんて 出来ないけどね。
*この世界では
殺すか
殺されるか だ。
PLAYERは、胸の内に燻っている感情を
表に出すことなく、黙って
フラウィの話を聞いている。
*あの おばさんは
それを 変えられると
思った みたいだけど。
*キミ達 ニンゲンを
あんなに 必死に
助けようと してさ。
彼とPLAYER以外に
誰もいない空間で
フラウィの声ばかりが響く。
*それで結局……。
*フフフ……。
*自分が
死んじゃうんだから……!
*救いようのない
バカだよ!!
フラウィは、可笑しくて可笑しくて
堪らないといった様子で、
邪悪な嗤いを響かせた。