第14章 犬は吠えるもなき声は影にひそむ
2017年。
「は?招集?…なんだってそんな急に…」
不審に現れる呪霊の報告を受け、対策会議のため高専へ訪れ会議が始まるまで懐かしみながら母校をうろうろしていたら、大慌てで補助監督が駆けつけてきた。
教室の椅子へ座り呑気にスマホを触っていた私を急かすように手短に説明する補助監督。
「夏油傑です!!早く!!」
私はその名前を聞いてすぐさま立ち上がった。
急いで駆けつけたそこには、おそらく呪霊であろう大きな鳥。そして足元には名前しか知らかった、夏油傑が立っていた。…これが夏油傑。
途中で合流した五条先生と夜蛾先生に、夏油傑を呼び出そうか?と聞いたが、「やめておけ。」と2人揃って反対された。
高専にいた術師が総出で臨戦態勢に入り、ひりついた空気が流れる。
「お集まりの皆々様!!耳の穴かっぽじってよーく聞いて頂こう!!!来たる12月24日!!日没と同時に!!我々は百鬼夜行を行う!!!」
夏油傑はそう叫ぶと、怪しげにニタリと笑いこう言った、
「思う存分、呪い合おうじゃないか。」
_____これはまだ私が恋に落ちる前の話。