第14章 犬は吠えるもなき声は影にひそむ
次の日、早速教室へ出向いた私。…というよりは五条悟…………先生から今朝追い討ちのメールが届いていた為致し方なく来た。
私がまともに高専に来たのが入学式以来だったので同級生たちは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、口をあんぐり開けたままこちらを見ていた。
最初は皆じろじろ遠巻きから私を見つめるだけだったけれど、好奇心に勝てなかったのか肝が据わっているのか私に遠慮なく話しかけ、それがまた心地よかった私は受け答えすることで打ち解けることができた。
「うんうん、仲良くなれて何より。呪術師は時には助け合いも必要だからね。ま、僕には必要ないけど。」
そして放課後、私と会話していた生徒と入れ違いのようにそいつは現れ、少し気に食わない言い回しで五条悟先生がどうもご丁寧に話しかけてきて、教卓の前に立つ。
自分で言うんだそれ…と思っていたら態度に出ていたらしく私の嫌そうな顔を見て五条悟は表情一つ変えずにうんうんそれじゃあ本題に入ろうか、と2人きりになった教室の椅子を一つ取って、腰掛けると教卓に肘をついた。
「僕に嫌悪感剥き出しだったり実家に帰りたくない様子を見る限り、 針の場合は成長と同時に増えた呪力を扱いきれなくなったってところかな。」
「どうしてそれだけでわかるの?」
私がそう尋ねると五条悟はきょとんとした顔をする。えーあー、と歯切れの悪い言葉を続けて困ったように頭をぽりぽりと掻くとこう言った。